弧月独言

ここは私の深呼吸の場である。日々の雑感や好きな歴史のこと、旅に出れば紀行などを記したい。

2017-01-01から1年間の記事一覧

教育勅語

慶応三年(1868)十二月九日、王政復古の大号令が発せられた。翌慶応四年三月十四日に、明治天皇は、五箇条の御誓文を立てられて、新しい時代を率いる覚悟を示された。ほどなく明治となり、政府は、この国が長らく培ってきたものを悉く廃して、矢継ぎ早に、…

日本仏教見聞録 寛永寺

私は家でよく香を焚く。香煙をくゆらせると、穏やかな気持ちになれるし、書くことや読むことにも集中できる。伽羅や沈香が好みであるが、高価なのでなかなか手が出せない。そんな時に見つけたのが、「東叡香」という寛永寺の香である。箱のデザインからして…

建国之日ヲオモウ

今日は建国記念日である。現代の日本人にとっては、あまり意識しない建国の日。アメリカの独立記念日などに比べたら、神代の頃からの伝説を元に定められたという曖昧なところが、また関心が薄い一因でもあろうか。しかし、戦前までは、紀元節と呼ばれ、盛大…

掛け違いから得たもの

先日、職場で得難い体験をした。私は、自分の業務上、十分に理解していたことを、失敗したくないがために、念のための確認のために、上司にお伺いを立てた。すると、上司は、私と目もあわせずに、「はいそうですね。」とだけ答え、黙々と自分の仕事をしてい…

日本仏教見聞録 高尾山

平成二十八年大晦日。日本仏教本山を訪ねる旅を、この晩夏より始めた私とT君が、この年最後に訪れたのは高尾山である。私は高尾山に登るのは二度目である。いつもハイカーや、行楽客で混雑している人気の山だが、近頃は外国人登山客が急増している。この日…

日本仏教見聞録 増上寺

私は二十数年東京に住み、私なりに大好きな江戸時代と徳川家を覗き見てきた。そんなワケで、今まで増上寺には数え切れぬほど来ている。東京にいる限りは、毎年暮れに増上寺へ参詣し、初詣は上野の寛永寺と決めている。徳川に心酔している私にとって、この二…

箱根駅伝賛歌

毎年、年明け一番のお楽しみは、箱根駅伝である。百年近い歴史を刻んできた、この日本一有名な駅伝競走は、毎年いくつものドラマティックな展開があり、約六時間の長丁場、片時も目を離せない。私は普段からあまりテレビを見ないが、箱根駅伝だけは、往復全…